花束を

遠く海辺から夕凪がそぞろに伸びをして風を欲しがるのさ
山の向こうから呼んでいる

「早くお帰りなさい」

雲の羽根を広げ雨が降る
空を隠すように雨が降る

中々うまくいかない事が近頃増えていて眠れない日もあるんだ
何も持たずに出かける事が何かを手に入れる旅だと思ってた

雨が降る
僕を諭す様に雨が降る

錆びた看板や朽ち果てたバス停や不似合いなコンビニを横目に
本当に守るべきものを見抜けずに今日もまた小道へと逸れてゆく

雨が降る
僕を諭す様に雨が降る
そして知らない場所で川になる
僕の知らない場所で川になる

流れる 明日へ ほら花束を…

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